硝酸イオン Part2
農産物用語集■IFOAM
これは、アイフォームと読んで、国際有機農業運動連盟の略称になります。正式には、International Federation of Organic Agriculture Movements という名称の団体です。大変よく耳にする「オーガニック」という言葉がありますが、この団体、実はオーガニックと呼べる農法、農産物の基準を策定している団体なのです。
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(いつごろ設立したの?)
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1972年にパリ近郊で設立されました。以来、有機農業の普及に努めるさまざまな人が加盟して、現在では108か国、750の団体で構成され、本部はドイツのボンにあります。日本では、11の団体が加盟しています。比較的小さな規模の農家や、農業の団体、有機の認証を行っている団体、はたまたコンサルタント,消費者などいろいろな立場の人が、有機農業の普及という目的のもとに参加しています。野菜だけでなく、コーヒー、衣料や医薬品の素材、などすべての農産物が「オーガニック」であることを推奨しています。
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(どんな活動を行っているの?)
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「有機」であることを認証するための基準を作っています。このIFOAMでつくられる基準は、世界各国の認証団体や検査の基準のもとになっていることが多く、そのため「オーガニック基礎基準」(基準を作るための基準、basic standerd)といわれています。また有機認証を行う団体の適合性を認定するための認定基準も提案しています。2年に一度開かれるIFOAMの総会では、加盟する団体個人からの意見に基づいて、これらの基準の見直しが行われます。IFOAMという民間の団体が推奨する基準が、法的な意味づけをもつ公的認証機関の基準のもとになっているわけなのです。
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(「オーガニック基礎基準」の内容は?)
3年間農薬も化学肥料も使われていない農地で、農薬も化学肥料も使わずに栽培した作物を指します。日本の「有機JAS」マークの基準が、「栽培機関だけでなく、種をまく前、または植えつける少なくとも2年前から、農薬および化学肥料が使われていない農地で栽培された農産物」となっています。比較すると、農地に農薬、化学肥料が使われていない期間がIFOAMは「3年」、「有機JAS」が「2年」と、IFOAMがより厳しい基準となっています。IFOAM自体は認証機関ではないので、その下部組織であるコーデックス委員会やIFOAMが認定する認証団体によって、認証業務が行われています。
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(参考)
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International Federation of Organic Agriculture Movements
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http://www.ifoam.org/index.html
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非営利活動法人IFORMジャパン
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http://www.ifoam-japan.net/
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硝酸イオン Part2
海外産と国内産の野菜に含まれる硝酸イオン濃度と調理の影響
硝酸イオン Part2
海外産と国内産の野菜に含まれる硝酸イオンの比較
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このところ,何かと話題になる外国産の野菜ですが,日本の食糧自給率は40%.いまや私たちの食卓は,外国産の野菜がなければ成り立たなくなってしまっています.今回は,この外国産の野菜と国内産の野菜で,含まれる硝酸イオン濃度を比べてみたいと思います.
冷凍食品や缶詰などの加工食品の原材料に海外でとれた食材が使われていることが多いように思います.ですが,この加工食品のなかの食材の硝酸イオン濃度を計ることはなかなか難しいように思います.そこで,今回は外国産のなま食材を求めていくつかのスーパーマーケットを探し回り,ようやく手に入ったブロッコリーについてみてみます.
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(ブロッコリー【1】)
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都心(東京都港区)にある比較的小規模のスーパーマーケットで購入しました.大きな繁華街も程近く,住宅も散在する大都会の一角.この当たりに住む家庭の食卓にのぼるありとあらゆる食材が,整然と売られています.購入したブロッコリーの産地表示には国内の都道府県名が表示されています.300g,198円.
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写真1 国内産のブロッコリー
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(ブロッコリー【2】)
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ブロッコリー【1】を購入したスーパーマーケットの近くにあるお店で購入しました.このお店は,繁華街にあるレストランの仕入れにも利用されているらしく,ネギがダンボールごと売らています.ブロッコリーの産地表示には海外の国名が表示されていて,3つ入ったパッケージで売られていました.3つで計865g,368円.
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写真2 海外産のブロッコリー
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(測定方法)
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せっかくなので,ブロッコリーの可食部と本来は捨てることになる茎の部分に分けて,硝酸イオン濃度を測定してみます.ほうれん草と違い,これまで行っていたすり鉢でする方法だけでは水分が抽出されそうにないので,今回はミキサーでペーストをつくることにしました.まず,可食部と茎に分けて,それぞれ20gずつ取り分けます.
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写真3 20gずつ取り分けた試料(左:国内産,右:海外産,手前:可食部,奥:茎)
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それぞれに水道水40mLを加え,ミキサーにかけてペースト状にし,晒し木綿で濾過します.その濾液に含まれる硝酸イオン濃度を測定しました.
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写真4 試料をミキサーの容器に入れる
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写真5 試料をミキサーにかける
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写真6 ミキサーで攪拌した試料
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写真7 ミキサーで攪拌した試料を濾過
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写真8 濾液(測定サンプル,左:国内産,右:海外産,手前:可食部,奥:茎)
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(測定結果)
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上の表のような結果となりました.可食部についてみると,海外産のものが国内産のものの4倍近い値を示しました.茎の部分は,国内産のもののほうが少し高い値を示しました.
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1. ミキサーをかける時間
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今回は,実は初めての方法で手馴れていなく,日本産のものよりも外国産のほうがミキサーにかける時間が長くなったように思います.もしかすると,このことが硝酸イオンの測定値に何か影響するのかもしれません.機会を見て,ミキサー時間の影響を検証してみたいと思います.
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2. 施肥の仕方
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可食部の硝酸イオン濃度は4倍もの差があるのに,茎の部分にはそれほど大きな違いがないのは,施肥の仕方にお国柄があるのかとも考えられます.たとえば,日本では土壌に肥料をおくが,海外ではブロッコリーの上から降りかけるとか,いろいろ想像してしまいます.この点からも機会をみて考察を深めたいと思います.
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硝酸イオン Part2
無化学肥料の牧草と牛乳の硝酸イオンの関係
牛乳に含まれる硝酸イオン濃度
少しおおきなスーパーマーケットの乳製品コーナーに行くと,いろいろな種類の牛乳が売られています.乳脂肪の量を減らしたものや,殺菌方法にこだわったもの,牛の種類など,いろいろな着眼点でお客のニーズを満たす商品がたくさん用意されています.先日、都内の外国人の多い街にあるスーパーマーケットをうろうろしていたら、偶然にも,飼料としての牧草に「無農薬,無化学肥料」であることをうたっている牛乳を見つけました.それで,この商品を含めて今回はいくつかの牛乳を選んで硝酸イオン濃度を測定してみることにします.
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(試料)
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【A】牛乳
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比較的大規模なスーパーマーケットで購入.周辺は大使館などもある住宅地.そのためか外国人のお客さんが多いらしく,乳製品の品揃えはかなり充実しています.この牛乳のパッケージに「無農薬,無化学肥料の牧草で育った牛」と書いてあります.殺菌方法は低温殺菌(65℃,30分),乳脂肪分3.2%以上.1Lで420円という高価格商品です.
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(【A】牛乳のパッケージ)
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【B】牛乳
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【A】牛乳を購入した同じスーパーマーケットで購入.比較的大手の乳製品メーカーの商品です.殺菌方法は低温殺菌(66℃,30分),乳脂肪分3.6%以上.価格は1Lで200円前後.
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【C】牛乳
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住宅街にある通常の規模のスーパーマーケットで購入.ここでしか見ないパッケージの商品.比較的小規模ブランドなのではないかと思います.殺菌方法は低温殺菌(65℃,30分),乳脂肪分3.8%以上.価格は1Lで200円前後..
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(測定方法)
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各試料とも,そのままスポイトで,硝酸イオンメーターに取り分けました.
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(測定結果)
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予測どおり,「無農薬,無化学肥料の牧草で育った牛」からの高価格の【A】牛乳が,低い値を示しました.乳牛は,かなり大量の牧草を食べて育つわけですから,牧草の生育環境が少なからず,商品としての牛乳にも影響しているのでしょう.
今までは,施肥する野菜そのものの硝酸イオンを測ってきましたが,今回見られた測定値の差が,飼育中の餌の影響によるのもだとすると,肉,ソーセージやベーコンなどの加工肉,チーズ,ヨーグルトなど牧草を食べて育つ動物からの加工食品には,野菜と同じように肥料の影響があるのではないかと思います.
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硝酸イオン Part2
アルコール飲料に含まれる硝酸イオン
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お茶のほかによく飲まれる嗜好品に,忘れてはならないアルコール飲料があります.今回は,星の数ほどあるアルコール飲料のなかから,蒸留の工程のない種類を選んで硝酸イオン濃度を測定してみました.おそらく,蒸留されると,原料である農産物の影響がほとんどなくなってしまうのではないかと考えたからです.
お茶と違ってアルコール飲料は,何かの機会にたくさんの量をいちどきに飲む人や,何を忘れても晩酌だけは欠かさないとい人など,人によってまた日によって摂取量が様々で、また頻度もかなり違うという飲み物.もちろん,お茶よりもたくさんの量を飲む人も多いので,それなりに含まれる硝酸イオン濃度が気になるところです.
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(試料)
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蒸留の工程のないアルコール飲料を選んで,硝酸イオン濃度を測定します.いずれのアルコール飲料もコンビニエンスストアで購入しました.
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■白ワイン
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ハーフボトルで購入.アルコール12%,産地はラングドック地方,ブドウはソービニヨンブラン.
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■赤ワイン
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ハーフボトルで購入.アルコール13%,産地はラングドック地方,ブドウはカベルネソービニヨン.
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■ビール
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350mL缶入りで購入.アルコール5.5%.
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■清酒
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アルコール13%以上14%未満.
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(測定方法)
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各試料とも,そのままスポイトで,硝酸イオンメーターに取り分けました.
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(測定結果)
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■清酒(日本酒)は低い値を示す
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今回測定した4つのアルコール飲料のなかでは,清酒が一番低い値を示しました.清酒は蒸したお米を麹・水と合わせて仕込み,上澄みを濾過して製品とします.蒸留こそしませんが,ワインやビールと違って,瓶詰めの際に濾過した上澄みを50~60℃に加熱する「火入れ」という工程があります.これは,加熱することで,上澄みに残っている酵母の酵素の働きを止める目的で行われるものです.
野菜も加熱すると,硝酸イオン濃度が低くなりますので,この「火入れ」の工程によっても硝酸イオン濃度が低くなることが考えられます.日本酒の中には,「生酒」と呼ばれる,「火入れ」の工程のない種類のものもあります.機会をみて,この「生酒」の硝酸イオン濃度も測定してみたいと思います.
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■赤ワインと白ワイン
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赤ワインは,潰したぶどうに酵母を入れて発酵させますが,白ワインは潰したぶどうをさらに絞って,その絞り汁だけを発酵させます.当然,肥料の影響は,白ワインの原料であるぶどうの汁だけの状態よりも,赤ワインの原料である果皮も残っている潰しただけのぶどうのほうが,より大きく残っていると考えられます.今回の測定結果も,赤ワインのほうが,白ワインの2倍以上の濃度を示しました.
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■ビール
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ビールは,発芽した大麦に水などを加え,さらにホップを加えて加熱し,濾過した液体を冷却・発酵させて製品とします.ですので,原料のなかで施肥されて栽培される農産物は,大麦とホップです.過熱の工程のある割には,硝酸イオン濃度は比較的高い値を示しました.大麦やホップの栽培時に使われる肥料の量を調べてみたいと思います.
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硝酸イオン Part2
農産物用語集■肥料取締法
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肥料に関係する法律はいくつかありますが,今回はこの厳めしい名前のついた法律について調べてみます.
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(いつごろできた法律なの?)
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現在の肥料取締法は,1899(明治32)年および1901(明治41)年に制定された旧肥料取締法を全面改正して1950(昭和25)年に制定されたものです.すでに掲載済みの記事「化学肥料のこれまで」にあるように,1874(明治11)年に開校した駒場農学校で肥料を用いた近代農業の教育がはじまり,1887(明治20)年東京人造肥料会社が設立され,化学肥料が工業的に生産され販売されるようになります.しかしながら,販売当初は,今までの肥料は人糞と堆肥がほとんどで、油粕やニシン粕すらまれにしか使わないような農家がほとんどだったため,この新しい肥料の価値が浸透するまでには時間がかかったようです.日清戦争(1894<明治27>~1895<明治28>年)を契機に急速に広まりました.その機に乗じて偽装した肥料で荒稼ぎしようという輩が出るほど,大変な勢いで受け入れられたことが想像されます.その後わずか数年,肥料取締法制定により法に則った肥料成分の規格化がされることになったわけです.
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(肥料を取り締まるとは?)
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1916(大正5)年7月11日付けの神戸新聞に「不正肥料取締注意」と題した記事が掲載されています.「不正粗悪肥料を供給し甘言以て農家を瞞着し不正の暴利を貪るもの少からず」とあるように,原材料をごまかし,「これを撒くとよく育ちますよ」を言葉巧みに農家を誘い,粗悪肥料を購入させて不当な利益を得る,いわば肥料の偽装詐欺が横行していたことがうかがい知れます.この記事よれば,下記のような肥料の偽装に注意を呼びかけています.
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■肥料荷粉
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倉庫の肥料を出荷したあとの脱漏物からなる雑質の肥料.本来は少し,土砂や塵介が混入しているものなのが,ほとんど土砂や塵介というものを,肥料と称して売り歩く.
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■偽造肥料
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本来は,動植物油精製所より廃物として生産する油の搾りかす(油粕)だが,偽装品は粘土の細粉末に油のおりを吸収したもの.色も似ている.
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■塩入鰹煮粕
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蕎麦屋や料理屋から出るだしがらの鰹を集めて乾したもの.塩を入れるのは,雨が続くときに腐敗防止のために混入させる.本来は塩入を明示して販売するものだが,なかには塩入にもかかわらずこれを隠して高品質高価格の肥料として売られているものが発見された.
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■他物混合肥料
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良質の魚肥に低価格の粗悪な魚肥を混合したもの.
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■毛屑肥料(または毛泥とも云う)
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羊毛の加工工程で洗浄される際に出るくずの羊毛を集めて乾燥したものが本来の肥料.偽装品は,ほとんどが土砂でそれにほんの少し,この羊毛を混ぜたもの.
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■アンモニア挽粉(硫安硝石下敷挽粉等の名あり)
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硫酸アンモニア硝石などを輸入する際に,船底の腐蝕を防ぐために鋸屑を敷く.この鋸屑を多少とも肥料成分を吸収しているとして肥料としたものが本来のもの.偽造品は,この鋸屑に通常の鋸屑を混ぜて量を水増ししている.
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いやはや,あの手この手でいろいろと考えるものです.なるほど,取締りの必要性が感じられます.
現在では,この法律に基づいて普通肥料の登録、肥料の生産届と販売届の受理、肥料の生産業者、販売業者への立入検査などが行われています。
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(普通肥料と特殊肥料)
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肥料取締法では,表のように肥料を“普通肥料”と“特殊肥料”に分けています.1983(昭和58)年に指定配合肥料、外国生産肥料の登録等に関する大きな法改正があり,2003(平成15)年の改正では,人畜に被害を生ずると認められる肥料の生産,輸入,販売の禁止等「国民の健康の保護」が盛り込まれました。
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(参考)「神戸大学附属図書館デジタルアーカイブ」
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硝酸イオン Part2
お茶の硝酸イオン濃度のまとめ
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これまで測定してきたお茶の硝酸イオン濃度についてまとめながら、もう一度比較して考察してみます。まず、これまでの測定結果をグラフにまとめます。
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■日本茶の硝酸イオン濃度は高い
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測定したお茶の種類では、日本茶が高い硝酸イオン濃度を示しています。以前、「農産物用語集■有機農産物と特別栽培農産物
」の記事のなかで、「“東京都特別栽培農産物認証制度”による認証対象の基準」をとりあげたことがあります。そのなかで東京都で行われる栽培法で化学肥料の使用量を抜粋してみましたが、それによると、10アールの耕作地あたり、ほうれん草は15kg(窒素成分)、大根は20kgなのに対し、お茶は45kgも使われることになっており、お茶の栽培にはほうれん草や大根に比べて、より多くの、実際には倍以上の肥料が使われることがうかがい知れます。
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今回測定した結果でお茶の硝酸イオン濃度の値がほかのお茶の種類に比べて高くなったことと、お茶の栽には比較的多くの肥料が使われることにはなにかつながりがあるように思います。また、今回測定した、「特別栽培」の日本茶は、その表示のないものよりも硝酸イオン濃度の値が低くなったことは、「特別栽培」では慣例の栽培法で認められた量の約半分の肥料しか使われていないことが影響しているものと思います。日本茶を購入する際には、「有機栽培」、「特別栽培」の表示を商品を選ぶことで硝酸イオンの摂取を控えることに役立つようです。
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■お茶は発酵させることで硝酸イオンが少なくなる
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高い値を示した日本茶ですが、発酵の工程を経て製品化すると硝酸イオン濃度も減ることが今回の結果からわかります。半発酵茶であるウーロン茶、発酵茶である紅茶と、発酵の度合いが進んでから製品化したお茶ほど、硝酸イオン濃度が低い値を示しました。
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■コーヒーは栽培法によって硝酸イオン濃度に大きな違いがみられない
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日本茶に比べると、コーヒーは栽培法による硝酸イオン濃度に大きな変化はありませんでした。また、紅茶ほどではないものの今回測定したお茶の種類のうちでは硝酸イオン濃度が低い値を示しました。
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■お茶からの硝酸イオンの摂取を控えるには
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今回の測定結果から、大雑把に硝酸イオンの摂取を控えるためのお茶の選び方をまとめてみます。まず、紅茶がおすすめ。アールグレイなど香りのついたお茶でもOK!次にコーヒー。その次にウーロン茶や日本茶ですが、この二つはとくに「有機栽培」、「特別栽培」などの表示のあるのもがよいでしょう。ハーブティーはいろいろな種類がありますが、もし毎日飲まれるようなら発酵の過程を経た製品があれば、そちらのほうがより硝酸イオンの濃度が低く抑えられていると考えられます。
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硝酸イオン Part2
紅茶とフレーバーティーの硝酸イオン濃度
硝酸イオン Part2
日本茶とウーロン茶の硝酸イオン濃度
硝酸イオン Part2
コーヒーの硝酸イオン濃度
硝酸イオン Part2
農産物用語集■有機農産物と特別栽培農産物
硝酸イオン Part2
化学肥料のこれまで
「いつもよりうまい。味がいい。いつも食べているやつよりも風味がある」
二人はさらに笑顔をつくった。ロッソフが言った。「野菜は八○年代には化学肥料や殺虫剤を使わず、また植える前に特別な処置も受けないで育てられていたんだ。防腐剤も、添加物もなかった。」コックが言った。「そして、ボイルした水は、塩素入りでなかった。」
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これは、懐古主義の精緻な描写で知られたアメリカの作家ジャック・フィニイ(Jack Finney、1911-1995)のSF作品「Time and Again(1970)」の中の一場面(出典:「ふりだしに戻る」福島正実訳、角川書店、昭和48年7月15日 初版)。主人公のサイモンは、ニューヨークで平凡な毎日を過ごすデザイナー。ある日ひょんなことから、タイムトラベルを目論む政府のプロジェクトのメンバーに抜擢され、そのためのトレーニングとしてほぼ100年前の1880年のニューヨークを細部にわたるまで再現した空間のなかで、生活をはじめることになります。ここで紹介したのは、想定される過去時代の食事のトレーニング中にプロジェクトの政府側担当者「ロッソフ」と主人公サイモンの間でかわされた会話。小説のなかの台詞ではあるものの、この小説が書かれた今からおよそ30年以上も前の1970年代にもすでに、化学肥料や殺虫剤を使うことで、野菜の風味が落ちるのではないかという視点があったことがわかります。そこで、今回は野菜の硝酸イオンとも大いに関係のあると考えられる「化学肥料のこれまで」を大まか振り返ってみたいと思います。
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(1840年 植物の無機栄養説の提唱)
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ドイツ人のユスタフ・フォン・リービヒ(Justus von Liebig)は、植物は、空気中の二酸化炭素から「炭素」を、土壌中から「窒素」や「リン」などを吸収し、それをもとにからだを構成する有機物質を光合成によって作り出していると提唱し、実験でそれを証明しました(『有機化学の農業および生理学への応用(Die organische Chemie in ihrer Anwendung auf der Agrikultur und Physiologie)』)。それまで、アリストテレス以来信じられてきた腐植説(植物は死んでしまうと腐植となり、土壌に含まれる腐植が生きている植物の栄養の源となるという考え方)がこれを機に大きく方向転換することになります。この考え方が基礎となって、化学肥料が生まれることになったので、リービヒは「化学肥料の父」とも呼ばれています。
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(1843年 過リン酸石灰の生産開始)
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ドイツでリービヒが無機栄養説を提唱した同じ頃、イギリスでもギルバート (Joseph Henry Gilbert) とローズ (John Bennet Lawes)が、同じように植物の生育には無機物質が欠かせないことを実証しました。さらにローズはリン鉱石に硫酸に加える肥料工場を建設して、工業的に過リン酸石灰の生産を始めました。
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(1913年 アンモニア合成の成功)
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ドイツのフリッツ・ハーバー(Fritz Haber)とカール・ボッシュ(Carl Bosch)によって、空気中の窒素と酸素からアンモニアを工業的に合成する方法が開発されました。それまでは自然界に存在する硝石などの窒素肥料が使われていましたが、この方法が開発されたことで、窒素肥料を工業的に生産することができるようになったのです。これにより小麦の栽培に適さないやせた土地を改良し、食糧供給を増やすことができるようになり、このことが以降の人口増加に大きく貢献しました。
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(日本での化学肥料の普及)
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日本の農学発祥といわれる駒場農学校が開校したのが1874(明治11)年。明治14(1881)年にはドイツ人オスカル・ケルネル(Oskar Kellner)が、農芸化学の外人教師としてドイツより着任しました。それまで、人糞、堆肥などの有機肥料しか使わなかった日本の農業に化学肥料を用いる近代的な土壌肥料学を紹介しました。
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また、タカジアスターゼやアドレナリンの発見などの功績を残した高峰譲吉も、化学肥料の普及に強いかかわりのある人です。大学卒業後農商務省からイギリスへ留学し、化学製造所で過リン酸肥料の製造を見学した高峰は、その後、1884(明治17)年に米国ニューオリンズで行われていた万国博覧会で、過リン酸石灰とりん鉱石を購入し日本に持ち帰ります。当時の実業家に渋沢栄一に日本における化学肥料生産の重要性を説き、その協力を得て、1887(明治20)年東京人造肥料会社が設立されました。
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こうして、生産販売された化学肥料も、人糞と堆肥がほとんどで、まれに油粕やニシン粕を使うような農家がほとんどだった当時には、化学肥料はあまり受け入れられず、この会社の収支が合うまでには数年かかったようです。日清戦争(1894<明治27>~1895<明治28>年)前後から需要が急増しはじめます。本格的に日本に化学肥料が広まったのは、このころといえるでしょう。
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(参考資料)
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ウィキペディア フリー百科事典「過リン酸石灰」
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href=http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%8E%E3%83%AA%E3%83%B3%E9%85%B8%E7%9F%B3%E7%81%B0/a>
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財団法人渋沢栄一記念財団 実業史研究情報センター
href=http://www.shibusawa.or.jp/center/shashi/shasi_ta.html/a>
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硝酸イオン Part2
野菜だけの懐石料理!?
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今回は,硝酸イオンから少し話がそれますが,食材としての野菜がもつ価値をもう一度見直してみたいと考えます.実は厚生労働省が推進する「21世紀における国民健康づくり運動“健康日本21”」というキャンペーンがあります。毎日の食事の量や素材,また運動不足などの生活習慣が、がんや脳卒中、糖尿病などの原因となりうることと、このような生活習慣病を予防するために、毎日に生活で気をつけるべきポイントが具体的に掲げられています。
http://www1.mhlw.go.jp/topics/kenko21_11/b1f.html
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このなかで、成人が食べる野菜の量について、一日平均350gという目標値が示され、特にカルシウムの摂取にかかわる緑黄色野菜については、一日平均98gの摂取が推奨されています。
そこで、今回は野菜だけで懐石料理を出してくれるお店を訪ねて、斬新なアイデアで見た目に美しく,もちろんおいしい野菜の楽しみ方をレポートすることにします。今回訪ねたところは,東京銀座のあるレストランです.青果物の卸屋さんが本業の傍ら営むレストランです.有機栽培などこだわりの栽培法で育てられた野菜や,量販店ではあまり置かれることのない珍しい野菜を使って懐石風に仕立てたお料理を出してくれます.訪れたのは,年も押し迫る12月の半ば.忘年会らしい集まりで,ほぼ店内は満席.しかしながら個室とカウンターがうまく配置されていて,混んだ店内でも騒々しさを感じることなく落ち着いて食事できました.
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(特性トマトジュース)
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まず,食前酒代わりの,特性のトマトジュースをいただきます.
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(にんじん豆腐)
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おそらくにんじんをすったものをくずなどで固めたもの.進上風に見えます.
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(小松菜のおひたし)
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ほんのりおだしの効いた味付け.きのこの香りも楽しめます.
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(お野菜のおつくり)
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おつくりは,ブロッコリが小さくなったような「スティックセニョール」,外側の皮が黒い「黒皮レンコン」,「菜の花」,「えびいも」の4品.これを,「小豆じょうゆ」でいただきます.小豆じょうゆおそらくペースト状にしたゆでた小豆に少し塩見を加えたものと思います.小豆のうまみと野菜の風味があいまって正に大地の味わいです.
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(赤カブの風呂吹き)
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とろけるように蒸しあげられたカブをスプーンですくっていただきます.濃厚でほんのり甘みのある冬の味覚.ちょっぴり甘みのあるゆず味噌でいただきます.
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(大根もち)
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大根に片栗粉をつけて揚げて,おだしでいただく強肴に見立てた一品.台湾で同じ名前の家庭料理がありますが,それよりはもう少し大根の風合いが残っているように思います.あっさりしたした食材の大根がコクのあるお料理に仕上げられました.
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(お野菜のにぎり)
左から「大黒シメジ」,「ばってん水ナス」,「カボナール」,「紅芯大根」,「いねぎ」.見ただけで圧倒されました.野菜の新鮮な風味が,彩り,食感とともに楽しめます.
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(リンゴのデザート)
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ブランマンジュ風のデザート.リンゴとカスタードのバニラ風味のソースがあります.おいしい.満足
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野菜はあっさりしてコクがなく,お料理のメインとしては物足りない感じがありますが,今回いただいたお料理のようにソースや調理法を工夫することで十分メインディッシュの役目を果たすことができます.お肉やお魚と違い,シャキシャキした歯ごたえやクリームのようなとろっしたした舌触り,キノコのフニャっとした食感などが楽しめます.また新鮮な野菜は,ほんのりした苦味や甘み,さらにうまみもあり,いつもいただくお料理とは違った味覚のセンサーを働かせながら食事を楽しめます.蒸す,揚げる,する,寄せるなどの調理法によって,姿かたちをさまざまに変えられるのも野菜の特徴です.野菜の食材としての価値を再認識した食事でした.
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(取材したお店)
八彩懐石 長峰
http://www.nagamine.co.jp/menu/index.html
硝酸イオン Part2
野菜の品質と硝酸イオンの関係(12)
硝酸イオン Part2
野菜の品質と硝酸イオンの関係(11)
硝酸イオン Part2
野菜の品質と硝酸イオンの関係(10)
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ほうれん草の栽培方法とゆでることで起こる硝酸イオン濃度の変化、今回はこのつながりをもう少し踏み込んでみてみることにします。
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これまでに、ゆでる前とゆでた後とゆで汁の硝酸イオン濃度を測定したほうれん草6種(【 D 】~【 I 】)の測定結果をまとめてみることにします。念のために、もう一度この6種類のほうれん草の購入先と表示されていた栽培方法をまとめます。
| | 【 D 】:有機農法のほうれん草
| | 【 E 】:駅ビル量販店低価格のほうれん草
| | 【 F 】:こだわり有機野菜のほうれん草
| | 【 G 】:「有機JAS」マークのほうれん草
| | 【 H 】:露店低価格のほうれん草
| | 【 I 】:量販店低価格のほうれん草
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これまで測定した結果を下記にまとめます。
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また、ゆでる前と後の硝酸イオン濃度を、割合でみて比較して見ます。
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(有機栽培商品群は、ゆでた後はゆでる前の4割程度の硝酸イオン濃度に減少!)
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ゆでる前のほうれん草の硝酸イオン濃度をもとにして、ゆでたほうれん草で測定された硝酸イオン濃度の割合に注目してみてみます。表とグラフの「(b) / (a)」の部分です。グラフでは薄いブルーになっています。これをみてみると、有機栽培で育てられた商品【 E 】、【 F 】、【 G 】はゆでる前のいずれも4割程度の値を示したのに対し、量販店低価格商品は5割を超えてた値を示していることがわかります。
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(有機栽培商品群は、ゆで汁とゆでたほうれん草をあわせた硝酸イオン濃度ではゆでる前の6割以下!)
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ゆでる前のほうれん草の硝酸イオン濃度をもとにして、ゆで汁で測定された硝酸イオン濃度の割合をみてみます。。表とグラフの「(c) / (a)」の部分です。グラフではエンジ色になっています。この値は、有機栽培商品群に特徴的な傾向はないように思います。次に、ゆでた後、ほうれん草とゆで汁に含まれる硝酸イオン濃度を足して、ゆでる前のものに対しての割合を比べてみます。表とグラフの「{(b)+(c)} / (a)」の部分です。グラフでは薄いイエローになっています。有機栽培で育てられた商品【 E 】、【 F 】、【 G 】は、ゆで汁とゆでたほうれん草をあわせた硝酸イオン濃度がゆでる前の6割以下であることがわかりました。これに比べて、量販店低価格商品群では、6割以上の値を示し、8割以上の値を示す商品もありました。
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(有機栽培商品群にみられたゆでることによる硝酸イオン濃度測定値の減少)
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このことから、ゆでるという料理法によって、有機栽培商品群のほうが、測定可能な硝酸イオンの割合が少なくなるとがいえると思います。ほうれん草に含まれる硝酸イオンは、そのうちのある部分がゆでることで、硝酸イオンメーターで測定できる硝酸イオンとは別の形に姿を変えるのでしょう。この姿を変える割合が、有機栽培で育てられたほうれん草のほうが多く、量販店低価格の商品では低い、とまとめられます。次回からは、栽培方法が違うことで野菜に含まれる硝酸イオンに違いがあるのか、またその硝酸イオンがゆでることでどんな風に姿を変えるのかについて、もう少し続けてみていきます。
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硝酸イオン Part2
野菜の品質と硝酸イオンの関係(9)
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前回ご紹介した4種類のほうれん草について堀場製作所の硝酸イオンメーターを用いて、硝酸イオン濃度を調べてみます。こだわり有機野菜のほうれん草【 F 】、「有機JAS」マークのほうれん草【 G 】、露店低価格のほうれん草【 H 】、量販店低価格のほうれん草【 I 】、この4種類について、生のほうれん草、ゆでたほうれん草、ゆで汁、それぞれに含まれる硝酸イオン濃度を測定してみます。
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測定方法これまでと同様に、生のほうれん草は、20gをすり鉢ですったものに水40mLを加えてさらし綿でろ過した濾液について測定しました。ゆでる料理法は、520mLの水道水を鍋に入れ電磁調理器で4分間加熱し、そこに100gのほうれん草を2分間入れました。その後、そのままざるにあけ、ゆでたほうれん草とゆで汁に分けました。ゆでたほうれん草は、10gをすり鉢ですったものに水40mLを加えてさらし綿でろ過した濾液、ゆで汁はそのままさましたものを測定しました。測定結果を下記にまとめます。
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(生では「有機JAS」マークの濃度が高い)
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ゆでる前の生の状態のほうれん草に含まれる硝酸イオン濃度を見てみると、こだわり有機野菜のほうれん草【 F 】と低価格グループ【 H 】、【 I 】とはあまり違いが見られませんでした。しかし、驚いたことに、高価格の「有機JAS」マークのほうれん草【 G 】は、他のほうれん草に比べると2倍近い濃度を示しました。「有機」と一口に言っても、姿形だけでなく施肥の仕方にもいろいろ違いがあるようで、このことも機会があれば調べて見る必要があるようです。
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(やはりゆでると、こだわり有機野菜の濃度が低くなる!)
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ゆでたほうれん草で調べた結果を見てみると、「有機JAS」マークのほうれん草【 G 】は、ゆでる前にこの4種類のほうれん草では一番高い値を示したので、ゆでたあともやはり一番高い値を示しました。また、ゆでる前の生の状態では、【 F 】、【 H 】、【 I 】はほぼ同じ値を示したのに、ゆでた状態ではこだわり有機野菜のほうれん草【 F 】が一番低い値を示しました。ゆでると有機栽培のほうれん草がぐっと硝酸イオン濃度が低くなるという現象は、前回ほうれん草【 D 】と【 E 】で比べたときと同様です。やはり栽培方法が、ゆでることで起こるほうれん草の硝酸イオン濃度の変化に、なにかつながりがあるように思います。
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(こだわり有機野菜は、ゆで汁でも低い!)
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ゆで汁に含まれる硝酸イオン濃度も見てみます。ゆでる前の生の状態では、【 F 】、【 H 】、【 I 】はほぼ同じ値を示していましたが、ゆで汁ではこだわり有機野菜のほうれん草【 F 】が一番低い値を示しました。これは、ゆでたほうれん草でみられた測定結果と同じ傾向です。ということは、ゆでる前にはほぼ同じだけ硝酸イオンがあったのに、ゆでるとほうれん草【 F 】だけが、ゆでたほうれん草からもゆで汁からも、測定できる硝酸イオンが少なくなってしまったことになります。このことにも焦点をあて、次回はもう少し考察を進めたいと思います。
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硝酸イオン Part2
野菜の品質と硝酸イオンの関係(8)
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さて、引き続き、ほうれん草に含まれる硝酸イオン濃度と野菜の評価との関連を調べてみます。これまでの実験の結果から、「有機農法」と書かれたパッケージに入っている比較的価格の高いほうれん草は、量販店の低価格のほうれん草に比べると、茹でることによってより多くの硝酸イオンをゆで汁のほうに移行させることができるのではないかと推測されました。それで、サンプル数を増やして実験を重ね、この推測を確かめてみることにします。
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まず、購入したほうれん草を一覧表にまとめます。
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(ほうれん草【 F 】を購入したお店)
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このお店は、周りには総合大学や美術館がある閑静な住宅街の一角にあるお店。都内ながら緑の多い静かな町並みのなかに、小ぢんまりとありました。駅にも程近く、平日のお昼時ながら何人か客らしい人が品定めをしているふう。1階は八百屋で、2階はここの野菜をつかったメニューを出すレストランでしたが、今回は時間がなかったので八百屋のみ。このお店、減農薬、有機野菜にこだわり、十分吟味されたルートで仕入れた野菜のみ並べているらしく、出かける前に電話で「有機農法で作られた野菜を探しているのですが、置いてありますか?」とたずねると「うちは、そうゆうものしか置いておりません!」と力強く断言。今日はほうれん草はあと一束しかないということなので、勇んで出かけ奪取してまいりました。
「こちらの商品は、1回だけ殺虫剤をまいています。」と申し訳なさそうに説明する店主さん。パッケージをみると、どこにも「有機農法」などとは書いてありません。価格は300円と量販店よりも少し高い印象を受けますが、株の大きさなどは量販店のものと変わりなく、前回扱ったほうれん草【 D 】のような目立った特徴はないように思いました。有機農法の野菜のでき具合にもいろいろあるようです。
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写真1 ほうれん草【 F 】
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(ほうれん草【 G 】を購入したお店)
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このお店は、住宅街にはよくあるタイプのスーパーマーケット。野菜、お肉、お魚、缶詰、乳製品にお菓子や調味料。食生活をサポートするものはひと通り、置いてあります。ほうれん草は、量販店タイプもの以外に「JAS有機農法」とマークの入ったほうれん草が置いてあったので、購入してみました。高い!高い!値段がバカ高い!パッケージに入っている量も少なく、いかにも貴重品のほうれん草といった感じ。こちらも、ほうれん草【 D 】のような、一株が大きいという特徴はなく、量販店のものよりさらにやせて、ひょろっと長い葉が印象的です。
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写真2 ほうれん草【 G 】
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(ほうれん草【 H 】を購入したお店)
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この「お店」は、郊外から野菜をトラックに積んで運び、都心で週一回の頻度で直販する、いわゆる朝市方式の露店。大型マンションのすぐ脇で開いてくれるので、野菜や果物など、重いものを運ぶ手間が省けて住人には便利です。スーパーよりも野菜の価格がさらに安く、また野菜に混じって手作りのお菓子やお漬物なども並んでいます。ほうれん草も安かった。今回選んだ4つのほうれん草のうち、100g当たりの価格が一番低いものとなります。パッケージには、「有機農法」などの文字は見当たりません。
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写真3 ほうれん草【 H 】
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(ほうれん草【 I 】を購入したお店)
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都内でも有数の高層高級住宅をいくつか抱えるこの町には、食品をはじめ日常生活を全般をサポートするスーパーマーケットが乱立して、顧客獲得に凌ぎを削っています。このお店も、そのうちのひとつ。訪れた時間帯が夕方とあって、おそらく夕食のお買い物ために足を運んだ子供連れの奥様や勤め帰りの方で込み合っていました。「有機農法」と表示されたほうれん草を探しましたが、それはなく、量販店タイプのもの一種類しか置いてありませんでしたので、そのうち一束を購入。近辺にある似たようなスーパーマーケットものぞいてみましたが、同じ産地同じパッケージの量販店タイプのほうれん草が一種類置いてあるだけで、この近辺のスーパーは、ほとんどこのほうれん草を仕入れているようです。
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写真4 ほうれん草【 I 】
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さて、この4つのほうれん草で、次回は硝酸濃度を比べてみます。乞うご期待!
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写真5 ほうれん草ずらり
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硝酸イオン Part2
野菜の品質と硝酸イオンの関係(7)
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「有機農法」と印刷されていましたパッケージに入っていたほうれん草【 D 】と都内の駅に隣接した量販店で購入したほうれん草【 E 】。今回はこの二つのほうれん草で味と食感の違いをみてみます。硝酸イオン濃度測定のために前回ゆでたほうれん草を食して、違いを見てみることにします。
結果を以下にまとめます。
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ほうれん草【 D 】とほうれん草【 E 】とでは、結果として味や食感にはあまり大きな違いがありませんでした。値段の点からも、見た感じの株の大きさからも、「有機農法」で育てたほうれん草【 D 】のほうが、かなりおいしく、量販店の低価格のほうれん草【 E 】との違いがはっきりするものと予想していたのですが、実際には違うようです。気づいたことをまとめてみます。
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1. 鮮度の違いがあったのか?
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「有機農法」のほうれん草【 D 】は、価格が高いことからか、売れずにおそらく店頭に置かれてからかなり時間が経っていたのではないかと思います。なにしろ、量販店のほうれん草【 E 】の倍近くの価格ですので、よほど「有機農法で作られた野菜」にこだわりのある人でないと購入しないと思われます。今回購入した商品についても、株自体は大きいものの、測定のためにパッケージから取り出すときに株から葉がポロポロとこぼれてきて鮮度があまり良くないのではないかという印象をもちました。それに対して、ほうれん草【 E 】を購入した量販店は比較的大きな乗換駅の駅ビルにあり、改札まですぐという場所にあります。おそらく主婦の人、勤め帰りの人が毎日のお買い物に利用するにはいかにも便利な場所です。そのため商品が入れ替わりも早いはずです。ほうれん草【 E 】も【 D 】に比べると、見かけからは仕入れて店頭に置かれてから間もない鮮度のよい野菜という印象をもちました。このことが、本来の食味に何らかの影響があったのかもしれません。
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2. ほうれん草を食べておいしく感じる条件は人によって違う?
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ほうれん草を食べて「おいしい」と感じる条件は人によって違うことが、今回の実験でわかりました。たとえば、「えぐ味」は、本来おいしさを損なう食味と捕らえられがちですが、ほうれん草ではある程度えぐ味があったほうが、野生的でおいしいと感じる人もいます。「歯ごたえ」についても、たとえばレタスやリンゴなら歯ごたえがあったほうが新鮮な食品という感じがしますが、ほうれん草の歯ごたえは、「硬い葉」として食味を損なうと感じる人と、レタスと同じようにおいしい食味としてとらえる人がいるようです。
「味と食感」を点数化してみるためには、テストする項目を考えてみる必要がありそうです。
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(まとめ)
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有機農法のほうれん草【 D 】と量販店のほうれん草【 E 】を比べると、価格は【 D 】のほうが倍近くするにもかかわらず、生のままでは硝酸イオン濃度に違いはなく、ゆでたものを食してもあまり変わらない印象となりました。しかし、ゆでたほうれん草の硝酸イオン濃度は、ほうれん草【 D 】のほうが【 E 】に比べると低くなり、栽培法とゆでる料理法とが、硝酸イオン濃度に何らかの影響があるかのような結果となりました。ほうれん草に限らず、野菜は茹でて食されることが多いと考えます。もし栽培法の違う野菜を選ぶことで,硝酸イオン濃度の摂取量に変化が起こるなら、野菜の選び方や調理法に新たに気をつけるべきポイントが出てくるかもしれません。次回から実験に用いるほうれん草のサンプル数を増やして、このポイント探ってみようと思います。
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硝酸イオン Part2
野菜の品質と硝酸イオンの関係(6)
硝酸イオン Part2
野菜の品質と硝酸イオンの関係(5)
硝酸イオン Part2
野菜の品質と硝酸イオンの関係(4)
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「野菜の品質と硝酸イオンの関係(2)」と同じA、B、Cのサンプルを用いて、今回は硝酸イオン濃度を測定して比較してみることにします。まず、それぞれのほうれん草を20gずつ取り分けます。つぎに、すり鉢の中にちぎっていれます。
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写真1 硝酸イオン濃度測定用のサンプル作り/
ほうれん草をちぎってすり鉢に入れる

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次に、すり鉢ですってペースト状にしたところで、水道水40mLを加えます。
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写真2 硝酸イオン濃度測定用のサンプル作り/
ほうれん草をすり鉢ですって、ペースト状にする
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ペースト状のほうれん草に水道水を加えたものを、さらし綿で濾します。
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写真3 硝酸イオン濃度測定用のサンプル作り/
さらし綿で濾す

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写真4 硝酸イオン濃度測定用のサンプル作り/
濾したサンプル
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このサンプルの硝酸イオン濃度を、堀場製作所の硝酸イオンメータで測ります。ほうれん草20gに水道水40mLを加えているので、重量的には3倍に希釈されていることになります。【A】、【B】、【C】それぞれ、サンプルを2つずつ作って測定しました。下の表ではそれぞれ「サンプル1」、「サンプル2」として表しています。
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これまでの「野菜の品質と硝酸イオンの関係(1)、(2)」より、ほうれん草【A】は、葉の張りも少なく、えぐ味、歯ごたえともに一番強く感じられ,どちらかといえば野菜としての評価は、ほうれん草【B】、【C】に比べると劣るのではないかという結果となりました。このことが硝酸イオン濃度となにか関連があるのではないかと考えていましたが、今回の測定結果では、【A】、【B】、【C】の硝酸イオン濃度に大きな違いはみられませんでした。
※値はこれまでと同じく、希釈された状態で計測した値をそのまま掲載してあります。
今回選んだ3つのほうれん草は、購入した店こそ違いましたが、産地がどれも関東地方の同じ県であること、購入した時期が同じであること、価格もほぼ同じであることから、食感と味の点からは違いは少しみられましたが、流通ベースでは、同程度の規格の商品というものでした。そこで、もう一度サンプルを選びなおし、流通ベースで違う規格として扱われていると考えられる価格の高いほうれん草と通常価格のほうれん草を用いて、もう一度同じ条件で観察と実験を重ねてみたいと思います。
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硝酸イオン Part2
野菜の品質と硝酸イオンの関係(3)
硝酸イオン Part2
野菜の品質と硝酸イオンの関係(2)
硝酸イオン Part2
野菜の品質と硝酸イオンの関係(1)
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これまでは,いろいろな野菜に含まれる硝酸イオン濃度を測定してきました.そのうち,ほうれん草では,冷凍や冷蔵などの加工によって,硝酸イオン濃度にどのような変化があるのかをみてきました.これからは,野菜の品質と硝酸イオン濃度がどのような関連があるのか調べてみたいと思います.そこで今回は,野菜の品質を評価のために着目する項目とその測定方法をまとめます.
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表 野菜の品質を評価するために着目する項目
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この項目は、野菜の品質を評価する際に役に立つと思われるものを選んでみました。これから実際に、評価を行いながら項目の見直し、追加などを行って行きたいと思います。
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食感や味のアンケートのために,下記のような用紙を用います.このアンケートをテスターに配布し、データを集め分析して見たいと考えています。
実際にどのような結果がでるか、ご期待ください。
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硝酸イオン Part2
硝酸イオンQ&A■スプラウトに含まれる硝酸イオン濃度(3) もやし編
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引き続き,スプラウト(野菜の新芽)に含まれる硝酸イオン濃度をみていきます.今回取り上げるのは,もやしです.大豆の芽であるもやしは,中国古代の生薬の書「神農本草経」にも取り上げられており,当初は薬用として利用されていました.日本にも,すでに平安時代に主に薬草として利用されていた記録が残っており,明治時代には生産業者が現れ,大量に出回ることになりました.食材としては,日本でも長い歴史のあるもやし.どのくらいの硝酸イオンが含まれているのでしょうか.
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(測定方法)
スーパーマーケットで購入したもやしを,20g取り分けます.
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写真1 もやし
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写真2 20gに分取したサンプル
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サンプルは,すり鉢ですってペースト状にします.その後,水40mLを加えて攪拌し,そのまま静かに上澄み液をさらし綿を使ってろ過します.そのろ液の硝酸イオン濃度を測定しました.
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写真3 水40mLを加えて攪拌したサンプル
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写真4 サンプルからのろ液
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(測定結果)
すべて,5回測定し,その平均値を示しています.
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(考察)
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これまで測定したスプラウトと比べてみると,カイワレ大根の上部と同じくらいの値を示し,アルファルファよりは,かなり低い値を示しました.また,レタスと比較した場合には,中側部分,外側部分ともにもやしのほうが高い値となりました.これからことから,今回3種のスプラウトを取り上げて硝酸イオン濃度を測定してみましたが,スプラウトに特徴的なことはなく,葉菜同様に食材によってかなり含まれる硝酸イオン濃度に違いがあることがわかりました.
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(参考資料)
株式会社上原園「もやしの豆知識」
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硝酸イオン Part2
硝酸イオンQ&A■スプラウトに含まれる硝酸イオン濃度(1) カイワレ大根編
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これまでレタス,サニーレタス,サラダ菜について,それぞれ部位による硝酸イオン濃度の違いをみてきましたが,これらの路地栽培の葉菜のなかまには,大きく育った外部のほうが,まだ若い中心部よりも高い硝酸イオン濃度となる傾向がありました.それで,より若い新芽の状態ではどのくらい硝酸イオン濃度が含まれるのかを見てみることにしました.今回は,最近店頭に並ぶ種類の増えてきたスプラウト(野菜の新芽)のなかから,比較的ポピュラーな,カイワレ大根,アルファルファ,もやしをとりあげます.まずはじめに,安価で食する機会の多いカイワレ大根を,葉っぱの部分(上部)と茎の部分(下部)に分けて硝酸イオン濃度を測定しました.
(測定方法)
スーパーマーケットで購入したカイワレ大根を,葉っぱの部分(上部)から20g,茎の部分(下部)から20gずつ取り分けます.
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写真1 カイワレ大根
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写真2 分取したサンプル(左図:葉っぱの部分;上部,右図:茎の部分;下部)
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サンプルはそれぞれ,すり鉢ですってペースト状にします.
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写真3 すりつぶしたサンプル
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その後,水40mLを加えて攪拌し,そのまま静かに上澄み液をさらし綿を使ってろ過します.そのろ液の硝酸イオン濃度を測定しました.
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写真4 水40mLを加えて攪拌したサンプル
(左図:葉っぱの部分;上部,右図:茎の部分;下部)
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写真5 サンプルからのろ液
(左図:葉っぱの部分;上部,右図:茎の部分;下部)
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(測定結果)
すべて,5回測定し,その平均値を示しています.
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(考察)
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前回までの結果から,レタス,サニーレタス,サラダ菜ともに新芽に近い,中心部のサンプルのほうが外部のサインプルより硝酸イオン濃度が低いことがわかりましたが,スプラウトである野菜のひとつ,カイワレ大根も,レタス,サニーレタス,サラダ菜などの葉菜類の外側の部分よりかなり低い値となりました.
また,部分による違いを見てみると,葉っぱの部分(上部)が茎の部分(下部)よりも少し高い値を示しました.
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硝酸イオン Part2
硝酸イオンQ&A■スプラウトに含まれる硝酸イオン濃度(2) アルファルファ編
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前回に引き続き,スプラウト(野菜の新芽)に含まれる硝酸イオン濃度をみていきます.今回取り上げるのは,アルファルファです.アルファルファは,イランやトルクメニスタンなどが原産と考えられているマメ科の植物です.日本には,江戸時代に中国を経て入っていきましたが,実際に私たちが食するようになったのは,1970年代に,スプラウトが食材として注目されるようになってからのことでしょう.明治時代には,北海道で牧草として育てられてもいました.ビタミンが豊富に含まれていることから,サプリメントの原料にも使われているアルファルファ.このスプラウトに含まれる硝酸イオン濃度を見てみます.
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(測定方法)
スーパーマーケットで購入したアルファルファを,20g取り分けます.
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写真1 アルファルファ
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写真2 20gに分取したサンプル
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サンプルは,すり鉢ですってペースト状にします.
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写真3 すりつぶしたサンプル
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その後,水40mLを加えて攪拌し,そのまま静かに上澄み液をさらし綿を使ってろ過します.そのろ液の硝酸イオン濃度を測定しました.
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写真4 水40mLを加えて攪拌したサンプル

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写真5 サンプルからのろ液
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(測定結果)
すべて,5回測定し,その平均値を示しています.
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(考察)
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前回測定したカイワレ大根と比べてみると,アルファルファにはほぼ倍の濃度が含まれていることになります.また,これまで測定した結果と比べてみるとサニーレタスの外部と同じくらいです.一概にスプラウトは,硝酸イオン濃度が低いのではなく,やはり食材によって違いがあるようです.次は,大豆の芽“もやし”をみてみます.
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(参考資料)
厚生労働省 アルファルファの概要
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硝酸イオン Part2
硝酸イオンQ&A■サラダ菜の部位による違い 編
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これまでのレタス,サニーレタスにつづいて,今回も野菜の部位によって含まれる硝酸イオン濃度に違いに着目します.サラダ菜ではどんな違いがみられるのか,探ってみます.
(測定方法)
スーパーマーケットで購入したサニーレタスを,中心部から20g,外側から20gずつ取り分けます.
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写真1 サラダ菜

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写真2 分取したサンプル(左図:中心部,右図:外部)
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サンプルはそれぞれ,すり鉢ですってペースト状にします.
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写真3 すりつぶしたサンプル

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その後,水40mLを加えて攪拌し,そのまま静かに上澄み液をさらし綿を使ってろ過します.そのろ液の硝酸イオン濃度を測定しました.
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写真4 中心部のサンプルからのろ液

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写真5 外部のサンプルからのろ液

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(測定結果)
すべて,5回測定し,その平均値を示しています.
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(考察)
中心部からの20gを“中心部のサンプル”,外側からの20gを“外部のサンプル”とします.
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■レタス,サニーレタスと同じように,サラダ菜でもやはり外部のサンプルが,中心部のサンプルよりも高い
レタス,サニーレタス,サラダ菜ともに,外部のほうが中心部よりも高い硝酸イオン濃度となりました.路地栽培の葉菜のなかまには,同様の傾向があるようです.
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硝酸イオン Part2
硝酸イオンQ&A■続 ペーストしたほうれん草の冷凍と冷蔵 編
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硝酸イオンメータ(堀場製作所)で,引き続きほうれん草に含まれる硝酸イオンを測定してみます.「硝酸イオンQ&A■ペーストしたほうれん草の冷凍と冷蔵 編」で,ペーストした場合は,6日間冷蔵すると硝酸イオン濃度が低くなり,同期間冷凍の場合は,そのままのものに比べると,硝酸イオン濃度がより高くなるという結果になりました.それで今回は,“ペースト”サンプルに注目し,日にちを区切って変化を追ってみることにしました.
(測定方法)
ほうれん草をスーパーマーケットで購入し,20gずつに取り分けます.サンプルはすべて,すり鉢ですってペースト状にして冷蔵または冷凍したあと,水40mLを加えて30分以上浸漬します.そのまま,静かに上澄み液をさらし綿を使ってろ過します.そのろ液の硝酸イオン濃度を測定しました.
(測定結果)
すべて,5回測定し,その平均値を示しています.
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(考察)
以降,ほうれん草をすり鉢ですってペースト状にしてから冷蔵したサンプルを“冷蔵ペースト”,同じように冷凍したサンプルを“冷凍ペースト”とします.
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■やはり冷凍ペーストの硝酸イオンは高くなり,冷蔵ペーストは低くなる
0日目から6日目までの結果をみてみると,冷蔵ペーストは,0日目よりも硝酸イオンが低くなるのに対して,冷凍ペーストは,0日目よりも硝酸イオンが高くなりました.ペーストするという条件と冷凍するという条件が重なると,硝酸イオンの検査結果が高くなることが,今回の測定でも確かめられました.
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■8日目には,冷蔵サンプル冷凍サンプルともに同じくらい低くなる
いったん高い値を示した,冷凍サンプルですが,3日目よりも6日目は低くなり,8日目にはさらに下がって冷蔵サンプルとほぼ同じ値を示しました.一方,冷蔵サンプルのほうは3日目のものは0日目より低い値を示し,6日目,8日目までほぼ同じくらいの値となりました.
今回は8日目までのサンプルしか用意できませんでしたが,これ以降どのような変化が見られるのか,気になるところです.また折をみて,試してみたいと思います.
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硝酸イオン Part2
硝酸イオンQ&A■サニーレタスの部位による違い 編
硝酸イオン Part2
硝酸イオンQ&A■レタスの部位による違い 編
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野菜は,部位によって含まれる硝酸イオン濃度に違いがあるという報告があります(*1).それで,実際に硝酸イオンメータ(堀場製作所)を用いて,市販されている野菜のうち一株単位で購入できる野菜を選び,部位ごとに採取して硝酸イオン濃度を測定してみます.まず,はじめにレタスを取り上げてみます.
(測定方法)
レタスをーパーマーケットで購入し,中心部から20g,外側から20gずつ取り分けます.
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写真1 レタス

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写真2 分取したサンプル(左図:中心部,右図:外部)

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サンプルはそれぞれ,すり鉢ですってペースト状にします.
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写真3 すりつぶしたサンプル

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その後,水40mLを加えて攪拌し,そのまま静かに上澄み液をさらし綿を使ってろ過します.そのろ液の硝酸イオン濃度を測定しました.
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写真4 中心部のサンプルからのろ液

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写真5 外部のサンプルからのろ液

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(測定結果)
すべて,5回測定し,その平均値を示しています.
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(考察)
中心部からの20gを“中心部のサンプル”,外側からの20gを“外部のサンプル”とします.
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■外部のサンプルが,中心部のサンプルよりも高い
参考にした報告(*1)と同様に,外部のほうが中心部よりも高い結果がみられました.レタスの栽培時の施肥(肥料の添加)方法は,栽培する前に土壌に混ぜ込む場合と生育中に肥料を散布する場合が考えられます.内側の葉は,外部の葉よりも,生育期間の短い若い葉です.そのため,肥料にさらされた時間も短く,この生育期間のちがいが硝酸イオン濃度にも影響したものと考えられます.
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(参考)
*1 香川県農場試験場「農試ニュース84号」(平成18年6月)
レタスの硝酸イオン濃度の実態
http://www.aes.gr.jp/topics/news/84/4.html
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硝酸イオン Part2
硝酸イオンQ&A■ペーストしたほうれん草の冷凍と冷蔵 編
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硝酸イオンメータ(堀場製作所)を用いて,ほうれん草をそのままの状態で保存した場合とペースト状にして保存した場合とで,含まれる硝酸イオン濃度に違いがあるのかのかを調べてみてみました.
「硝酸イオンQ&A■ほうれん草の冷凍と冷蔵 編」では,ほうれん草を加工せずにそのまま「冷凍」あるいは「冷蔵」で保存した場合,硝酸イオン濃度にはあまり変化がみられないという結果になりました.今回は,ほうれん草は,ペーストなどの加工を加えて缶詰としたり,ジュースやスープにして商品化され出回っていることに目を向けてみましょう.ここでは,ペースト状に加工したものを,6日間「冷蔵」または「冷凍」して,含まれる硝酸イオン濃度が加工される前と比べてどのように変化するのかをみてみます.
(測定方法)
生のほうれん草をスーパーマーケットで購入し,そのまま 20g ずつに取分けます.「加工しないほうれん草」は分取した 20g ずつをポリ袋にいれ「冷凍」あるいは「冷蔵」したもの,「ペーストしたほうれん草」は,分取した 20g ずつすり鉢ですってガラス瓶に移し,「冷凍」あるいは「冷蔵」したものを指します.
購入した日を0日目として, 「硝酸イオンQ&A■ほうれん草の冷凍と冷蔵 編」と同様に次のような方法で硝酸イオン濃度を測定しました.「ペーストしたほうれん草」の測定は,冷蔵あるいは冷凍から30分以上おいて常温に戻し,20gのほうれん草を保存した瓶に直接,40mLの水(水道水)を加えて手順2.以降と同様の手順で測定しました.したがって、この硝酸イオン値は実際の値よりも少なくとも3倍に希釈した際の値であることに注意してください。
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1.まず20gのサンプルをすり鉢ですってペースト状にします.
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2. 1.に40mLの水(水道水)を加えて30分間浸漬ろ過し,その後ろ過をし,そのろ液を測定することにします.
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3.その後,静かに上澄み液をさらし綿でろ過します.そのろ液の硝酸イオンを測定しました.
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4.6日間冷蔵・冷凍したサンプルともに同じように上記2.3.の手順で測定しました.
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(測定結果)
実験は各サンプルごとに1回実施しました.硝酸イオンの計測は,すべて 5 回測定し,その平均値を示しています.
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【※希釈した状態で計測した数値をそのまま記載】
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(考察)
■ペーストして冷蔵すると硝酸イオン濃度が低くなる.
今回の測定結果から,ペーストして冷蔵保存すると,ペーストしないで冷蔵した場合と比べてかなり低い結果となりました.そのまま冷蔵したものよりも,ペースト状にして冷蔵したほうが,6日目の硝酸イオン濃度は低くなるという結果が得られました。
■ペーストして冷凍すると硝酸イオン濃度が高くなる.
ペーストして冷凍保存した場合には,そのまま冷凍した場合よりも硝酸イオンが高くなるという結果になりました.もちろん,冷凍保存している間に,肥料を加えているわけではありませんので,おそらくは,ほうれん草の中に含まれていて加工しない状態では測定できなかった硝酸イオンが,測定可能な状態になったと考えられます.
冷凍した場合には,ほうれん草の細胞内の水分が冷凍によって体積が増え,それによって細胞壁が破砕されるなど,すり鉢による破砕よりももっと細かなレベルでの破砕が起こることが知られています.今回の測定結果とのこの細かなレベルでも破砕になにか関連があるかどうかについては,今後もう少し検討を深めてみたいと思います.
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