| 引き続き、ほうれん草を用いて野菜と硝酸イオン濃度の関係をみていきます。今回は価格帯の大きく異なるサンプルを用意して比べてみることにします。同じ日に別の店で購入したほうれん草2束を用意しました。ほうれん草【 D 】を購入したお店は「自然食品」と書かれた幟が店先に立っており、購入したほうれん草のパッケージには「有機農法」と印刷されていました。ほうれん草【 E 】を購入したお店は駅に併設してつくられたスーパーマーケットで、とくに「自然食品」という触れ込みのない量販店のようでした。購入時のほうれん草の状態を下記にまとめます。価格も、ほうれん草【 D 】は、ほうれん草【 E 】の1.5倍します。 |
![]() |
写真1-2 ほうれん草【 D 】 ![]() |
![]() |
写真3-4 ほうれん草【 E 】 ![]() |
![]() |
|
また、ほうれん草【 D 】は、一株がかなり大きなもので、200gのパッケージに二株しか入っていませんした。ほうれん草【 E 】のパッケージには20株以上入っていたので、大きく違いが印象づけられました。また、ほうれん草【 D 】は、ほうれん草【 E 】にあるような小さくて細い葉が少なく、茎も太く、葉も大きいものが多いので、いかにも路地で育った野菜という感じがしました。 |
写真5 ほうれん草【 D 】のパッケージに入っていた2株 ![]() |
まず、この二つのほうれん草から、それぞれ任意に一株ずつ取り出し、葉の長さや重量、葉の張具合を観察してみることにします。以下の観察と実験はすべて、購入したその日に行いました。 (重量と大きさ) E、D2つのほうれん草について、それぞれ任意の一株を選び、その重量を計りました。そして、その一株についた葉のうち一番大きな葉について、葉の部分の「葉の長さ」と葉から根元までの「茎の長さ」に分けて計りました。 (張り) 次に、その一株の根元を指で挟んで持ち上げ、重力で葉の先がどのくらい垂れるかを見てみました。葉の張りが強いほうが垂れにくく、重力による屈曲の値が少なくなるのではないかと考えたからです。指で挟んだ根元の位置を「0」として、一番垂れた葉の先までの垂直距離を計りました。ここでは、この値を野菜の評価のひとつ、「張り具合」の指標とすることにします。 |
写真6 ほうれん草【 D 】 ![]() |
写真6 ほうれん草【 E 】 ![]() |
一株あたりの、重量と大きさ、重力による屈曲の結果を以下にまとめます。 |
![]() |
ほうれん草【 D 】とほうれん草【 E 】の違いは、なんといっても株のつくりです。任意の一株をとってみても、ほうれん草【 D 】の重量が57.5gあるのに対して、ほうれん草【 E 】の重量が32gと大きく違います。葉の数をみると、ほうれん草【 D 】は13枚で、一株当たりの重量が小さいほうれん草【 E 】の17枚より少ないことからみても、ほうれん草【 D 】の葉の一枚一枚、茎の一本一本が太くてしっかりしたものであることがわかります。重力による屈曲には、この二つのサンプルに大きな違いがみられませんでした。見た目の感じでは、ほうれん草【 D 】は葉が太くてしっかりしているもののポロポロとちぎれてきて、鮮度の点では、ほうれん草【 E 】に劣るような印象を受けました。次回は、この二つのほうれん草で、含まれる硝酸イオン濃度の違いをみてみます。 |








