2006年5月3日は連休の後半の初日だ。天気はよく晴れ上がったが、気温をちょっと低めの一日だった。
さて、今日の壁面温度と気温との関係を観測した結果がこのグラフだ。

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| 2006年5月3日2:30から20:30までの壁面及び気温の変化 |
ご覧のように測定開始後240分後(6時30分)くらいから気温が上昇しはじめ、壁面温度も上昇をし始める。ウエザーバケットの「バケットメイト」によると、この付近の日の出は4:48なので、日の出のあと2時間くらいから気温上昇がはじまったようだ。
さて、早朝は壁面の温度は気温より2,3度高く、もっとも低いときで13℃くらいだ。これは建物中の温度が影響しているのかもしれない。壁面温度は450分後(10:00)くらいから急に上昇をはじめる。気温に比べ急な上昇だ。これは、この時間から、直射日光があたり始めたためと考えられる。気温も上昇し最高気温は19.3℃(12:40)であった。いったん、気温が下がるが、また一度上昇するというパターンは、この観測地点の隣にあるビルのため、日光が当たらない時間があるためであろう。実際、今日は10:50から13:10までは日が当たっていない。
気温より5℃ほど高い壁面の温度が、この後、夜間にどのように変化するかが気になる。加えて日射と壁面温度と気温の関係も気になる。次回は、日射量のデータもこのグラフに加えて表示してみたいと思う。
さて、今日は本当に過ごしやすい一日であった。散歩していたら、とても気分の良い木陰が観測地点のそばにあったので、そこから見上げた写真をお見せしよう。PCのデスクトップの壁紙としてでもお使いいただきたい。

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2006年5月3日正午頃の木陰
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横山です.
壁面温度と気象条件の関係についてのご報告,楽しく読ませて戴いています.
永友さん,大変有難うございます.
外気中に存在する物体の表面温度は,日射・気温・湿度・風速によって変化します.その関係は,壁面における以下のような熱収支式(微分方程式)によって表現されます.
(放射収支量)=(顕熱輸送量)+(潜熱輸送量)+(壁中熱伝導量)
日射は放射,気温は顕熱,湿度は潜熱,風速は顕熱と潜熱の大気との熱交換に関係します.したがって,壁を構成する材料の熱伝導率がわかれば気象要素から壁面の温度変化を計算で求めることが可能です.
この熱収支式は,人体の表面温度はもちろん,地表面温度,水面温度,さらには葉の表面温度に対しても成立します.
そこで,放射温度計を作物群落の中に設置して,葉の表面温度を測定してみると大変面白いと思います.葉面温度は葉の濡れに関係します.すなわち,葉面温度が大気の露点温度より低下すると,葉の表面に水蒸気が凝結し,濡れが発生します.この濡れは病害の繁殖に大きく影響する因子です.プラスチック板に電極を埋め込んだ”濡れセンサー”が製品化されていますが,葉の表面温度がモニタリングできれば,より正確に葉の濡れを知ることができます.(濡れセンサーは常時通電しているため,腐食し易いという欠点があります.また,”濡れ”はあくまでもプラスチック板の濡れであり,葉の濡れではありません.実験的に葉の表面温度を測定するには,細い熱電対を加工して,葉に接着剤で付着させる方法を用いますが,長期の観測には不向きです.)
放射温度計による葉の濡れの積算時間を指標として用いれば,種々の病害の発生予察が可能になると思います.クリーン農業という世の中の動きの中で,生産者がそれに対応する技術的なノウハウとして用いることができるようになるでしょう.
さらに,この濡れが凍結するような葉面温度の場合には,霜害が発生します.
放射温度計による葉面温度観測とウエザーバケットによる気象観測で,生産者個人が病害予察と霜害予測ができるようになるのです.
そのような時代がもうじきやって来るのだと思います.
横山様
葉の表面温度の計測についてのアイデア、有難うございます。霜害といえば、茶畑に風車のようなものがありますね。あれは「防霜ファン」というらしいのです。これで風を起こして、横山さんの説明にある熱交換を亢進させて、霜害を
防いでいるのでしょうか。
葉の表面温度は実際に測りたいと考えています。「ビルの屋上緑化で、実際に温度が下がるのか」という点が気になっていましたが、葉の表面温度が霜害や病害虫の発生とも関係があるのですね。
現在、畑へのウエザーバケットの設置の計画も進んでいますので、その畑で葉の表面温度の観測も是非行いたいと思います。