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agrisensor宣言

IMG_4302.jpg ここに、agrisensor(アグリセンサー)というblogサイトを立ち上げる。もちろんこれは造語である。様々な工業や研究用で使われている高度なセンサー技術を農業に活用していく。これをagrisensor技術と呼ぶこととしたいのだ。


 農業の分野は、これから10年くらいのスパンで、ゆっくりと死に向かう。65歳以上の農業人口が大多数を占め、かつ40才未満の新規参入者が毎年1万5千人もいない現状では、そう観測するしかない。しかし、現在40才未満の就農者が大勢を占める10年後からは、これまでの日本農業とは全く違う、新しい農業パラダイムが出現するだろう。その頃には農村は「票田」にはならないため、土地の流動化を停めていた規制の緩和が進み、生産物の流通・販売システムもまた大きく変わっているはずだ。


 そんな中で重要になってくるのが、agrisensor技術だと考える。新しいパラダイム上での農業スタイルは、現在よりも一人あたりの管理面積は大きくなり、省力化されていくはずだ。逆に、農家一戸に必要な農機具が全て揃っているというヘビーデューティなスタイルではなく、緩やかな組織体の中で共同利用がなされていくような形になるだろう。そうなると、高度な生産管理技術に加え、きちんとした予測に依る計画的な生産プロジェクトのマネジメント技術がなくてはならないはずだ。その新しい営農スタイルに必要なのが、agrisensor技術ではないだろうか。


 これまで個人的な圃場単位での実測が難しかった「微細な環境計測データ」を個人農家が持ち、それを自分の営農スタイルに応じて処理・加工して、自分の営農スケジュールを作っていく。環境変化に応じて、最適な「打つ手」を導き出して実行していく。


IMG_4354.jpg 実はこうした営農スタイルは農業情報学の分野ではよく整理された絵として頻繁に描かれてきたものだ。しかしこれまで現場では「そんなの必要ない絵空事だ」と言われ続けてきた。そう、これまでは。
 今後の日本農業の方向性を考えていくと、agrisensor技術をフル活用したスタイルがようやく現実的なものとして捉えられるようになってくるのではないかと、思う。


 さて、このblogは農産物生産・流通コンサルタントである山本謙治がメインに執筆を行い、今後あるべきagrisensor技術についての考察と情報交換を行っていくために構築されたものだ。読んで頂きたいのは、農業生産者や団体・出荷団体・流通業者・販売業者、そしてagrisensor技術に関心を持つ全ての方達だ。スパムや煽り以外の建設的なコメント投稿を大歓迎する。

 このblogのスポンサーは、関西の名高い計測・分析機器メーカー「堀場製作所」である。堀場製作所としては、上記視点から次世代の農業現場に投入できるセンサー機器を視野に入れている、ということだ。ご存じだろうが、同社の計測機器はこの国の産業の根幹を支えるメーカ等に多数使われている。その技術を農業分野に振り向けてくれたら、これほどエキサイティングなことはない。一も二もなくこのblog運営を買って出たのには、そういう理由がある。
 しかし、だからといってこのblogは堀場製作所の機器を宣伝するためのものではない。そういうつまらない内容であるならば、僕はblog運営をしたくない、ということを伝えて、ご了承いただいている。広く大局的な視点から、今後の農業スタイルを現場サイドと情報交換し、必要とされる技術は何か、をディスカッションしていく場として展開していきたい。従って、様々なメーカの製品について紹介したりもしていく所存だ。


 そしてもう一つ。こういう動きをすると、喜ぶのはメーカサイドの人間が多い。単純にビジネスチャンスであるからだ。しかし、よくある構図は、メーカの人間だけが集まってワイワイやるような委員会だったり、研究会だ。そういうものには僕はしたくない。agrisensor技術が活用されるの現場は、圃場、倉庫、選果場、集出荷施設、取引所(市場など)、販売所、物流の現場すべてを含んでいると考えたい。そしてこのblogに集い意見を交わすのは、その現場の人たちをメインとしたい。

 本blogではこれ以降、適時agrisensor技術に関するエントリを私が執筆し、読者の意見を問い、ディスカッションをしていくという形をとりたい。その中では、今後必要とする技術そのものに関するアンケート調査なども実行していく。また、環境計測機器を実際に圃場で使って頂くモニター調査もしたいきたい。ぜひ皆さんの積極的な参加をいただきたいと思う。
 日本の農業の未来の、ほんの一翼を担うだけのの技術かもしれないが、それを創り出していくプロジェクトを温かく見守って頂きたい。

                      2005年5月1日 株式会社グッドテーブルズ 山本謙治

Category 総論 | May 01, 2005 | 投稿者 root : 10:13 AM | コメント (6)


コメント

書く前にホリバさんのHPを見て考えてみました。
やってほしいこと

畑の土壌のPH・窒素・リン酸・カリ・苦土の量が簡単に分かる装置。

↑今までの土壌診断は広い畑の5カ所の土を袋に入れ検査機関に提出してだいぶ時間がたってから診断結果が分かるものでした。それを簡単にしてほしいということです。土壌診断をすれば自分の畑に足りない物多い物が判断でき、適切な施肥設計が可能となります。
近年有機栽培が増えてきているのですが、毎年細かいデータを取ることによって堆肥では足りない成分を化学肥料での補強(収量を上げる)や逆に必要のない化学肥料の削減(コストの削減)など細かい計算ができるようになります。
また馬鈴薯にとってPHコントロールはとても大事な物です。
畑に棒状センサーを刺すとそれぞれの測定値が出てきて、PCに保存できるようなスタイルなら完璧です。
やってほしいことはまだまだあります。ではまた今度。

投稿者 十勝やっち : May 9, 2005 08:06 PM


アグリセンサー技術の開発、大いに期待したいと思っています。
今後どんな展開になるのかどうか楽しみですね。
農業従事者の世代交代は、ここ数年で加速度的に進んでいます。
40歳未満でユニークな考えを持っている人がこの分野に集まりつつあるんですね。
感と経験に裏打ちされた農業、もちろん大事だと思います。
それに加えより科学的なアプローチができるのであれば嬉しい限りですね。
アグリセンサー技術、これって日本農業だけでなく、世界の農業フィールドに展開できる視点だと思います。
研究成果を大いに期待したいです。

投稿者 ひろっきぃ : May 9, 2005 09:40 PM


三浦の農家です。
以前からこんな、ところがあればと思っていました。
大学在学中からいろいろなセンサーや計測機器を使わせてもらっていたのですが、とても性能が良く、そのため、高価だったり、また、とても多くの前処理があり実際に農業の現場では使えないと思いました。
一昔前までは置いてるだけなら「ただの箱」と言われていたPCも、あらゆるソフトの充実や、ニーズへの対応によって普通の人にも取り扱える物になってきました。
それに比べ、まだ多くの農業用計測器は「ただの棒」と言うしかありません。
もっと我々使用者の意見を取り入れて、改良や簡略化、また違った発想などを取り入れて、使いやすい計測機器が出来ると良いと思います。
日頃から農業は科学だと思っています。多くの法則や成り立ちやあり方が複雑に絡み合って相対的な世界を作り上げているのが農業生産の現場です。先人達が育んできた感や技術はそう簡単には習得できる物ではありませんが、その一部でも計測機器を使って解き明かされていくことはとても素晴らしいことだと思います。
これからも、この素晴らしい発想に参加させて下さい。

投稿者 バウアー : May 10, 2005 05:51 PM


皆さんどうもありがとうございます!
ぜひこのblogにて情報交換させてください。
十勝やっちさん、センサーについての具体的要望をありがとうございます。このblogは堀場の方ももちろん観ていますので、今後いろいろ詰めさせてください。

投稿者 やまけん : May 13, 2005 10:33 AM


私どもはお菓子屋であるが『一貫ビジネス=原材料生産からお客様への物流まですべて行う』をめざすために農業をはじめます~さっそく『ウエザーバケット』を導入し直営栗農園の気象状況やもろもろをリアルタイムにブログで表示している~これから安心安全を追求してゆくために科学的な根拠開示への取り組みは農業事業者にとってかかせないファクターになってゆくと思うので早速はじめてみました。
農業?科学的なデータを公開しお客様と農業への取り組みの距離感を限りなく接近させるのが私の使命かもしれない。

・栗と温度など気象状況との関わりあい

を計測できしかも表記できるような?データが取れるような機材をドンドン試してみたい~栗の現場で堀場製作所担当者さまとお会いすればドンドン新しい取り組みが見えてくるような予感がする。

投稿者 新杵堂田口 : May 19, 2005 04:51 AM


学生時代から農業生産に関わって来ました。現地での簡易な情報取得ということであればSPADがあると思いますが,北海道では特殊土壌が多いためSPADの適用は難しいのです。つまり,現地でのモニタリングによって営農を行うことがとても大切なこととなります。その意味でもセンサー技術の汎用化により,情報取得が簡単に行えることは非常に有益と思います。
現地センサーの取得データの転送にはLonWorksなどの遠隔操作技術も活用することによって,さらなる活用性も見えてくると思います。遠隔操作については通産省から予算が出るはずだと思います。
今後もこのBlogを楽しみにしています。

投稿者 好奇心男 : May 25, 2005 08:19 AM



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